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「変」の一年から新しい年へ

「つれづれ」でも、すぐに掲載しました「Candle Night at Kandagawa」(キャンドルナイト アット 神田川)の写真をご紹介いたします。

Candle Night at Kandagawa

昨年11月下旬より、何人もの学生たちが話を聞きに小松屋に来店しました。

以前、「甦る問屋街」でご紹介した当時の教授が違う大学に移られ、学生たちに神田川の水辺を魅力ある空間にするという宿題、いえ、課題のために次々と聞き取りに来るのです。なぜ、川に杭があり、ロープが川岸から数本架けられているのか等の初歩的?な質問など、様々な問いを投げかけられました。

私たちからも彼らに、この柳橋周辺の雰囲気をどのようにとらえているか尋ねてみれば、「現在の東京に続く、江戸からの趣きあるこの風景を、そのまま大事に守っていってほしい。」「歴史的にも重要な地域でありながらも来るたびにほっとします。」と言われ、若い世代の感性にも受け入れられる神田川・柳橋界隈なんだと何ともうれしくなってしまいました。

キャンドルで川辺をぐるりとライトアップしたいと最初に言われた時、強風により倒れて火がつき、ロープ伝いに船まで行ってしまったら、大変な事になってしまうので、それだけは必ず注意するようにと話していました。

当日、キャンドル立てを見て、彼らの工夫には驚いたものです。
ペットボトルを二重仕立てにして、それぞれに水が入り、少々の風には倒れないように、また倒れても中の水で、火が消えるようになっていました。これなら大丈夫と一安心。

寒い一日でしたが、午前中から等間隔に、キャンドルを並べ始め、
ご覧のとおりに。

街灯や柳橋の照明をすべて消して、キャンドルの灯りで、中央区側の神田川を、LEDライトとキャンドルで柳橋を、ぽっと浮かび上がらせました。普段の人工的な照明とは明らかに違い、近所の方からも「もっと早く分かっていれば、友人を連れてきたのに残念。」と言われるほど、素敵なひと時。おしゃれなチケットも当日配っており、早めに渡しておいてくれれば、あちらこちらに置いてもらって、もっと大勢の人にお知らせできたのにと少し残念。
それほど、ろうそくのゆらゆら揺れる淡い灯りは、柔らかく、また、温かみに満ちていました。
一夜限りの、ちょっと不思議な光空間に、思わず神田川をゆっくり歩いて楽しんでいました。

 

さて、2009年を迎えて早いもので、すでに3ヶ月目に入ってしまいましたが、昨年、2008年を振り返れば、様々な事が起こり、また、身近にも地球温暖化の影響を受けたと思われることが多々ありました。

 

まずは、桜の開花時季です。花見舟を出しているため、毎年、墨堤の開花の様子を記録しています。例年では、気象庁の開花の発表があってから、一週間から10日後に墨堤の桜が開花していました。けれども昨年は、気象庁の標準木の開花に遅れること4日目頃には、いきなり4,5分咲きとなり驚かされました。

一説には、都心にある標準木にしているソメイヨシノが、ヒートアイランド現象で、通常よりも早く開花しているのではないかと…
そして、墨堤は川風の影響を受けるため、通常よりも開花が遅れるのですが、どうやら本来の開花の時期に花が開いているだけなのでは?!と思えるのです。
この状態は、数年前から始まり、お花見に一番いい頃が分かりにくくなってきています。

 

また昨年、台風は、東京に上陸することなく被害はありませんでしたが、「ゲリラ豪雨」という言葉ができるほど、予想外の大雨が短時間に降ることがしばしばありました。

常に川の様子に気を配っていますが、朝、店に来て驚いたときがあります。

柳橋近辺はもちろんのこと、見渡す限りの青空で雲ひとつない気持ちの良いお天気なのに、神田川は、大激流。真っ黒な水がヘドロの臭いと共に轟々とうねって流れ、船の舫い(ロープ)を今一度、点検に走ったほどでした。

昼頃よりヘリコプターが何台も飛び始め、何かあったのかと上空を気にしていると、消防艇、水上警察艇が、神田川上流に何隻も凄い速度で進んで行きます。何ともいえない不安な気持ちになりました。数時間後に分かった、あの痛ましいマンホール事故の日でした。心から心から、ご冥福をお祈りいたします。

出船の数時間前に大雨が降っては、しばらく経て先程の雨が嘘のように止み、穏やかな夕焼けにつつまれたり、何とも予測しがたい気象に振り回された年でした。

 

社会情勢として、アメリカのサブプライムローン問題を引き金とした経済不況、円高などのため、引き続き今年も少々心配な一年となりそうです。

2008年の今年の漢字として発表された「変」

アメリカ大統領に選ばれた、オバマさんのメッセージも「Change」でしたが、最初に見たとき、(変化)の「変」というより、(変な…?)の「変」を思い浮かべてしまったのは、私だけではないと思います。

今年はどのような一年になるのでしょうか?

穏やかな年であるように願うばかりです。

Candle Night at Kandagawa(このイベントのことについて書かれたブログです)

2009年3月4日

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