川から東京を眺めてみませんか
神田川〜日本橋側〜小名木川ツアー
今年の12月の気温は寒くなったり、暖かくなったり寒暖の激しい気温となりました。
でも温暖化のせいでしょうか今年の冬は関東ではどうも暖かいように感じます。
さて12月15日屋形船組合連合会での企画で「江戸の水路を辿るツアー」に参加してきました。
大学の先生方が研究のため船で神田川を上り、今に残る石垣や古い構造物などの調査をされていました。これが一般の方にも好評で、歴史ファンや東京を川から眺めてみたいという方に楽しんでいただく船での観光として、新しい魅力付けができるのではと屋形船連合会で企画された勉強会です。
屋形船のような大きな船は神田川には入っていけませんが、小型船なら入っていける深さと川幅なのです。今回は品川の船宿さんの小型船でめぐることになりました。
まずは丸ノ内線はここでは川の上の鉄橋を走っていますので、その下をくぐるというのもなかなか面白いなあ〜と感じました。
普段陸の上から見ている様子を川から眺めるのもなかなか趣があります。このお茶の水「聖橋」などはそのアーチの美しさがよく分かると思います。
東京はご存じのとおり水路を通じて発展してきた都市です。
つい最近まで築地から運ばれてきた魚を飯田橋あたりで引き揚げて魚を運んでいたと聞いたことがあります。東京の水路は高度経済成長以前まで使用されていたんですね。
後に川の汚染でニオイがひどくなり、水路としてが利用されなくなった。そこから川沿いの建物が背を向けて建つようになった…そんな説明もありました。
こうして川を船でめぐることができるのは、少しは川の様子が変わってきたということでしょう。
日本橋川はほとんどが川の上を高速道路が走っていって、まるで川の上をずっと屋根があるようです。ですからこの日は朝から良い天気でしたが太陽がまるで当たりません。走っている間はヒンヤリとした感じです。
お堀の石垣がまだ残されているところがあります。こういったところは陸の上からではわからないところですね。
お江戸日本橋も上から見るのと川から見るのとでは表情がちがいます。現在日本橋はメンテナンス中で足場がぐるりと取り囲んでいました。
この日本橋の上を走る高速道路を川の下へ通そう、なんて話題がありましたが政府が変わってそんな話もなくなったのでしょうか。
まあ東京オリンピックの頃はなんでもいいからやっちゃえ!的な都市計画で後先のことは考えなかったのかもしれませんね。
日本の成長するためにはやむを得なかった、ということでしょうがこれからは長い目でみた都市計画が必要だと思います。
さて、日本橋川から隅田川へぬけて今度は小名木川に入ります。ここにはこのツアーのハイライト扇橋閘門(おうぎばしこうもん)があります。
閘門(こうもん)。江東区のゼロメートル地帯に沿って流れる中川は、人工的に水位が下げられています。
船が水位の違う川へ移動するため、この扇橋閘門で水位を調整して進みます。
壁にのこった水の跡をみれば水位の差がよく分かると思います。潮の満ち引きの関係で上下するとのことですが、今回2メートルくらいがありました。
さて閘門をくぐるとき用心しなくてはいけないのはあがったゲートから大量の水滴がポトポト落ちてきます。船ではビニール傘を用意していただいたのですが、バタバタバタという音と共に水がかかってしまいました。雨と違いますのでちょっとよけ方にコツが必要です。
さてこの小名木川をUターンして、今度は上流、スカイツリーの方へ向かいます。
スカイツリーの足下には十間川が流れています。ここに入って川からスカイツリーを眺めようという趣向です。
現在はスカイツリーの側まではいけるのですが、途中までしか行けないようになっています。しかしながらスカイツリーが完成した暁には近くまで船でいけるようにしようという計画があるようです。
そうすると東京の新名所を船でめぐることもできるのではないでしょうか
今後も屋形船連合会ではこうした勉強会を通じて船でみることができる東京の魅力を再発見するツアーが企画されていくことと思います。
2010年12月31日