小紫の実が実っています
先だっての三人展のギャラリーに入った途端、鮮やかな小紫(こむらさき)の実に眼を奪われました。
盆栽を育てたことはないし、難しいだろうし…とかなり、思い悩みましたが、それにもまして、この可憐な紫に、すっかり魅了されてしまい、当日持ち帰りました。
どのように育てるか、いろいろ話を聞いてきましたが、神経質にならないように、ゆったり構えていこうと思っています。
とは言うものの、葉の色が変わったといってはドキドキし、雨の日に外に出しっぱなしと聞いては、心配になり。まだまだ、おっかなびっくり手探りの毎日です。
元々、少し背が高く育つ「紫式部」という花があり、 紫色の実をびっしりとつける事から、「紫重実」(むらさきしきみ)と呼ばれていました。けれど、いつの頃からか、源氏物語の作家、紫式部を連想して、また平安時代の美女を指して、とも言われて「紫式部」となったようです。
その「紫式部」より、小さいため、「小紫」と呼ばれているのです。
この紫の実の、不思議な色合いには、惹きこまれてしまいます。光の当たり具合によっては、また微妙に色が変わり、見飽きることがありません。
「グミみたいで、食べてみたくなる!?」
そんな声もあります。確かに美味しそうではありますが…
いいえ、食べられません。それだけは、ご容赦ください。
2005年10月25日
自然を謳う…
これは、今、成城で催されている「自然を謳う三人展」からの作品のひとつです。
以前、錦絵に描かれている屋形船の舟の舳先に、盆栽が置かれていることについての話を書きましたが、そのときに、教えてもらった盆栽家 加藤文子さんも出品されているのです。
加藤さんは、「奏デル盆栽」を立ち上げ、活躍している四代に亘っての盆栽家。真直ぐな瞳の、かつての同級生です。
先の盆栽と屋形船の関わりについて、突然の電話にも快く、分かりやすく答えてくれました。
一軒家の小さな庭のあるギャラリーで、盆栽・陶器・草の布が展示されています。
育てることが難しいといわれる盆栽ですが、彼女の盆栽は、針金などを使わない、自然に沿った、植物にもやさしい盆栽なのです。ご主人の力強くも繊細な陶器と、草から作られた頬ずりしたくなるような布との、心落ち着く時を過ごすことができました。居心地がよく、随分長くいた事に気づいて、驚いたほどです。優しい空間だったのでしょうね。
もっと早くに掲載すればよかったのですが、この三人展は、16日で終わりです。
けれども、 小松屋にも「奏デル盆栽」が、実はあります。
次回にご紹介しますので、ぜひ、お楽しみに。
2005年10月15日
江戸紫の…
かつての東京の中心部であった地域を、デザインやアートの観点から再発見し、それぞれの地域の歴史・文化・コミュニティ・技術と融合して、また新たな文化を生み出していこうという試み。
それが「セントラル イースト東京2005」です。
その試みの一環として、下町けんちく倶楽部デザインワークショップ 「よみがえるとんやがい」があります。
10月1日、この「よみがえるとんやがい」のための、まち歩きが行われ、柳橋の説明カードが、小松屋の店先に置かれました。
写真は、そのときのポスターです。
毎年、 夏休みの時期は、いろいろな学生さんが訪れます。建築学科、土木学科、環境学科など広い範囲の学問に亘っています。
普段何気なく使っている物が、学生さんにとっては驚きの対象になったり、反対に、学生さんたちの言葉で気づかなかった事を発見させられたり。
なかなか面白い研究や試みが多いので、できる範囲で、お話したり、見せたりしています。
今回の「よみがえるとんやがい」の学生さんたちもそれは熱心に、東日本橋や横山町を歩き回って聞き取り調査をし、お祭りにも参加していました。
このポスター、写真だと色が分かりにくいのですが、「江戸紫」色のおしゃれで、とても眼を惹かれるデザイン。
頑張っている学生さんたちに、エールを贈るため、ご紹介させていただきました。
2005年10月5日
赤とんぼのお休み処
朝から、気持ちのいい風の吹く東京です。
からりと晴れ渡った空に、お日様が暖かく感じられ、つい先日までの猛暑が、すでに、遠く思えるこの頃。
過ぎてしまえば、あっという間の夏でした。
飛ぶ姿を見かけなくなってきた赤とんぼですが、それでも、よく羽を休めている場所があります。
船を繋ぐための、普段舫っているロープの他に、台風対策の予備の長舫い(ながもやい)をいつでも使えるように、張っているのですが、その長舫いが、お気に入り。
9月頃には、気がついた時だけで、10数匹もとまっていました。
なぜか、柳橋に向かって、方角で言えば、南東に向いて、等間隔にとまります。
風向きに相対してしているのでしょうが、それにしても見かける時は、必ず柳橋に向かっているので不思議でなりません。
暗くなると、いつのまにか飛び立って、いなくなる赤とんぼ。
少しづつ、とまる赤とんぼがいなくなって、夏の名残りも消えていくのでしょう。
2005年10月2日
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