困ってしまった猫たち
2週間前ほどの、とても珍しい出来事をお話します。
神田川に浮かぶ屋形船を何の気なしに見ていた時、カラスかなにかの鳥が留まっているのかと思ったのです。それにしては大きい。何だろうと、店を飛び出し対岸から、よく見れば…
茶色の猫と、黒猫が、屋形船の屋根の上にいるのです。
紙を丸めた飴玉くらいの大きさの物にじゃれついては、ぴょんぴょん飛び上がって二匹で遊んでいます。
ぽかぽかと春を思わせる陽だまりの中、のんびりとしたひとときでした。
ところが、さあ大変!
猫たちが遊び飽きたらしく、岸に戻ろうとして
茶色の猫は、飛び移っていくのに、黒猫は怖いのでしょう。どうしても渡ることができないのです。
岸に戻るためには、まず、乗っている屋形船の屋根から、隣の屋形船の屋根に飛び移り、屋根から下に下り、桟橋に移動して階段を駆け上がり、地に足をつける事となります。
もともと、猫たちは、屋形船の屋根に乗ってきたのですから、戻れそうなものなのですが。
茶色の猫が先に行って、うながすように鳴いているのですが、どうしても飛べない黒猫。
隣の屋根まで戻り、また鳴く茶色の猫。
飛ぼうと屋根の端まで行っては、諦めて戻るを繰り返す黒猫。
とうとう元の屋根に戻ってきた茶色の猫は、黒猫を励ますかのように、近づいていきます。
渡る事が、余程怖いのでしょう。
仲良く遊んでいたのに、黒猫が距離をおくのです。
落ち着かせるためか、同じ船に少し間を置いてじっと待っている茶色の猫。
この間、40分間。
さすがに、最後まで見届けることはできませんでしたが、一度店に戻り、しばらくして見てみると二匹の猫はいませんでした。
以前に「屋形船に乗ってしまった…猫」を掲載しましたが、第2弾ということになります。
どう思い出しても、猫が屋形船に乗ってしまうことがなく、めずらしいことなのです。
散々気をもんだ猫は、翌日、護岸の上で日向ぼっこしていました。
もちろん、二匹お揃いで。
お待ちかね「墨堤 桜の開花情報」も更新しています。 ぜひ、ご覧ください。
2006年3月24日
春の息吹き
「三寒四温」とは、よく表しているもので、上着を脱いだり、寒風が身にしみたり、朝にならなけらば、暑い寒いが分からない日が続きます。
小松屋の店先の柳も先日の日曜日に、新芽ならぬ新しい葉が、芽吹いてきました。
前日までは、葉のひとつも生えていませんでしたのに、いっきに茂りだしました。
冬の間は葉がすべて落ちて、見るからに寒い雰囲気をかもしだしています。
夏の重そうな、茂りに茂った柳からは、ちょっと想像できないほど、葉がありません。
3月も中旬を過ぎ、これから春本番を迎えるのですね。
柳のまだ小さい葉っぱを見て実感しました。
そういえば、昨日、ニュースで向島の桜が咲いたと映像が流れていました。
あの映像だけ見ていると、すべての桜が咲いてしまうのではないかと勘違いしそうですが、墨堤では毎年、早咲き桜が数本だけ咲きます。
まだこれからですので、ご安心ください。
東京では、22日頃から桜の開花が始まるとか…
小松屋ホームページでも、恒例「墨堤 桜の開花情報」を随時、更新していきますので、お花見の参考に、ぜひ、どうぞ。
昨日15日の墨堤も「花見舟」から、ご覧になれますので、お楽しみください。
2006年3月16日
白梅が満開になりました
昨日、東京は4月中旬の暖かさになり、なんと19度にまでなりました。
この陽気に、白梅が次々と咲いていき、写真のようにたった一日で、見頃を迎えたのです。
この前日に撮ったときは、まだ数輪の開花でしたのに、面白いくらいに咲いていきます。
カメラを少しの間、待っていれば、パッとつぼみから花ひらく瞬間が撮れたのではないか…と思えるほどの勢いでした。
梅のおだやかなやさしい香りが漂います。
この香りに誘われて、鶯が来ないものかと待っているのですが、なぜか、一昨年から、鶯が訪れなくなってしまいました。
毎年、楽しみにしていますのに、どうしたのでしょう?
今日も、朝からたくさんの人がカメラで白梅を撮影している姿を見かけます。
ちょっと、いえ、かなりうれしい!
自慢の白梅をお届けします。
2006年3月9日
ある雑誌の風景
昨年の初夏のころ。ある雑誌に、小松屋の屋形舟が写っていることに気づき, その誌面を掲げて、柳橋の同じ場所で、撮ってみました。
おそらく、休日の早朝か夕方と思われますが、なんとなく静けさを感じられる写真でした。
まだ1年も経っていないのに、柳橋から神田川の上流を見ての景色が、この誌面の当時と、現在では、すでに違っています。
柳橋から秋葉原を見ることになりますが、大きなビルが建ち、また今ももう1軒建設中です。
このビルが建つ前までは、午後には日差しが強く店内に差し込み、まぶしいものでした。
晴れた日の夕焼けは、とても美しく、神田川に夕日が落ちていくように見えて、人々が柳橋にたたずんで見入っていたものです。
今は、この次々と建つ巨大なビルにより、夕焼けが見えないのです。
太陽が、ビルまで落ちていくのは見えますが、大きい建造物のため、そこで終わり。
空を朱色に染める、あの心奪われる瞬間がなくなり、なんだか消化不良を起こしそうな、なんともはがゆい思いを毎日しています。
こうして街は、日々変化していくのでしょうか?
柳橋からみえる夕焼けがなくなってしまいました。
掲載 2005年別冊カドカワ ゆず特集
2006年3月4日
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